レーザースキャンとは?
レーザースキャンは3次元計測機の一つです。
スキャナーから照射されるレーザーによって対象物の位置情報を取得する計測です。
レーザー光線を照射してレーザーが返ってくるまでの時間を測定し、距離に換算します。
また、レーザーの照射角度から対象物の空間位置を測定できます。
下の動画でこの原理をわかりやすく説明しています。
このように地形や木の高さを測定する場合は測定精度は±2cm~3cmの精度になります。
自動車部品を測定する場合は高精度(±0.1mm)を求められますが、地形等を測るには十分な精度でしょう。
レーザースキャンで森林調査
林野庁でレーザースキャンを使った森林調査がやられています。
背景としては林業の衰退による人手不足のため、デジタル機器を活用して解決したいからです。
林野庁では「3Dwalker」という機器を使っています。
この製品は背中に背負って歩きながら計測できる機器です。
下の動画で使用方法・解析結果のデモンストレーションを見る事ができます。
スキャンの調査方法としては下記の3種類で実施され、それぞれにメリデメがあります。
調査方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
1)森林をくまなく歩き、 詳細データを取る | 詳細なデータが取れる | データが重い 広い場所を歩くのは非現実的 |
2)ドローンも活用して 「3Dwalker」との二刀流 | 地上と上空から 広いデータが取れる | ドローンのノウハウが必要 |
3)「3Dwalker」のみで ざっくり調査 | 効率よく調査できる | 場所の選び方に左右される |
場所を選んでやり方を変えていくことで林業の人手不足解消に使えそうです。
注意点として、「3Dwalker」は非防水のため、雨や雪の日での調査には使えません。
また、霧の日も水分が乱反射して正確に測定できません。
天候に左右されるため、調査日程が予定通りに進めれない可能性があります。
また、林地の条件として、完全に平地よりも傾斜がある方がレーザーが届きます。
しかし、歩くのが困難な急傾斜地では調査ができません。
頭を覆うような低木が多い場所ではレーザーが届かないため、落葉する冬~春の調査が望ましいです。
まとめ
日本は少子高齢化が進んでいるため、どこの産業にも人手不足に陥る状況にあると思います。
そのための解決策として、「デジタル機器を活用した作業の効率化」が一つの手段だと思います。
次の世代に豊な環境を引き継ぐためには、「誰でも」「楽に」「正確に」作業できる方法が重要になりますね。
参考文献:「レーザースキャンによる森林調査」(農林水産省)
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