
3D加工として使用されるNCフライス盤ですが、最近では格安で購入ができるようになり、家庭用として使える物も増えてきました。
私も今までは木工業者に発注して製作をしてきましたが、自分でも作れるようになりたいとの思いから購入に踏み切りました。
通常フライス盤は金属材の削り出し加工で使われる事が多いと思いますが、私は木材加工用として購入しました。
木材加工用として買う方は少ないと思いますので、何を重要視して検討したのかを皆さんと共有し、木材の3D加工をやりたい方の参考になれればと思います。
NCフライス盤の購入

NCフライス盤の選び方
まずはNCフライスを選ぶ際に私はこの3点を重視しました。
- 加工ワークサイズ/加工機サイズ
- モーター回転数
- 価格
【加工ワークサイズ/加工機サイズ】
どの大きさまで加工できるかは重要になります。
自分が作りたい物がテーブルに入るのか確認が必要です。
また、上下方向にどれだけ動けるかも確認しましょう。
上下方向は下図のようなZプローブを使って基準面を設定する事があります。
加工する時に木材の上面を基準に設定する方が加工し易くなる場合があるため、上下方向にどれだけ動かせれるかは注意して確認しましょう。
私はざっくり300×300×100mm 程度の物が加工できればいいかなと考えて探しました。
そして設置する場所として注意が必要になるのが、加工機の動く部位です。
加工機はモーター部が動くのか、台座が動くのかで設置スペースが変わってきます。
家庭用NCフライスは全体が覆われているような加工機は少ないと思います。
なので「NCフライスの全体大きさ」+「可動部位」を考えて自宅に設置できるかを見ておきましょう。
ちなみに切削加工すると切削くずが散らかります。
これは木材に限らず金属材料も同様ですが、木材は軽いため広範囲に散らかります。
散らかってもいい部屋があればいいですが、私はそのような都合の良い部屋がありませんでした。
なので着替え用テントを購入して切削くずが散らからないように設置しました。

【モーター回転数】
モーターの回転数は〇〇rpmと表記される事が多いです。
「rpm」とは 「revolutions per minute(回転数/分)」の略で「1分間に○○回転できるか」という単位になります。
このモーター回転数によって加工し易い材料が変わります。
硬い材料(金属)はモーター回転数が低くても加工できますが、柔らかい材料(木材・樹脂)ならば回転数が高い方が加工し易くなります。
そして回転数は切削用工具の半径によって最適な速度が変わってきます。
小さい工具を使う場合はrpmは大きくする必要があります。
私は木材加工で細かい加工が必要なため、なるべく高回転のモーターが搭載されているNC加工機が欲しいと考えました。
細かい計算はしてませんが、価格と相談して高回転のモーターが付いている加工機を探しました。
【価格】
やはり家庭用として一番最初に購入するNCフライスなので、あまり高い物を購入するのはリスクが高いと考えました。
実際使ってみると、うまく動かせなかったり不測の事態があるかもしれないので、私は使えなかった時のリスクを考慮して極力安い物を探しました。
私はざっくり10万円以下を目安にしました。
中華製4030Proを購入


今回私が購入した4030Proは下記のようなスペックです。
加工ワークサイズ:400×300×73mm /加工機サイズ:632×458×355
モーター回転数:11000rpm
価格:\59,600(セールでの購入)
また、レーザー彫刻機も付いており、レーザー加工もできるため総合的に良さそうだったので購入しました。

ただ1点予想外だったのが、台座が前後に動くのですが、固定されてるフレームの外まで動く事がわかりました。
フレームより50mm程飛び出したので、設置位置を見直す必要がありました。
購入後に追加で買ったモノ
買う前にはわからなかったけど、使っていくうちに必要になった物を挙げます。
参考にしてもらえればと思います。
・各種エンドミル/チャック

加工したい形状に合わせて必要な種類のエンドミルを購入しないといけません。
細かい形状を加工するためには細い径のエンドミルが必要になり、合わせて細い径用のチャックも必要になります。
・ワーク固定ボルト/プレート

ワークを固定するためにボルトとプレートで固定しますが、付属の物では高さが足りませんでした。
私は初期段階ではわざわざ固定するためにワークを切削しましたが、大変なので長いボルト・プレートを別途購入しました。
・角度台座

角度をつけて切削したい場合や、レーザー加工での平面を出すために角度をつけて固定したい場合に使用します。
・切削くずを飛ばすための扇風機/取付座

切削加工には地味に必要になります。
風で飛ばさないと切削くずが積もってしまい加工精度に影響します。
加工中は常に風を送って切削くずが積もらないように工夫しましょう。
自分が加工したい物に合わせて追加購入が必要になるので、都度工夫しながら作らないといけません。
また、効率的に加工したい場合もビットやチャックを統一して交換頻度を減らせないか等を考える必要があります。
これは使う前にはなかなか予想できないため、使ってみながら追加していくしかないかと思います。
まずは安い物を1台購入してみて自分が必要なスペックを確認しながら知見を集めるのがいいと思います。
まとめ
NCフライスは通常工業用としての用途が多いため、家庭用としてはどういうスペックの物を購入すべきか迷うと思います。
私も使ってみて気づく事が多かったです。
なので完璧な状態で購入する事は難しいと思いますので、最低限使えるスペックの物をまずは試してみるという気持ちで始めるのがいいと思います。
そして掃除も大変なので集塵機があるといいですが、家庭用としてはあまりないですし騒音にも注意が必要なので、私は頑張って掃除してます。
とはいえ手作業では加工できない形状を作れるのは大変魅力なので、挑戦する価値はあると思います。
今後もNCフライスを始めたい方を応援していきます。
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