アリ溝加工とは?どんな工具で加工するのか? 木製品固定クリップのトライ品作成

木工

私の木製品固定クリップにはアリ溝加工が必要不可欠です。
アリ溝にクリップをはめないと保持力が出せないので、木材に必ず加工しないといけません。
このアリ溝とはどういう加工法でしょうか?

アリ溝加工とは

入口が狭く奥が広くなるようにハの字に加工する方法です。
加工のやり方としては下の動画がわかりやすいです。
動画ではアリ桟(アリザン)という名前で紹介されてます。
アリ桟はアリ溝にはめる側の加工になります。
通常の使い方は相手になるアリ桟を横から滑らせてはめ合います。

動画のようにトリマーという電動工具を使って加工できます。

トリマーとは

トリマーとは木材への溝切りや面取り、切り抜きなどの加工ができる電動工具です。
先端にビットという刃物を取り付けてビットを高速回転させることでビットの形状に木材を加工できます。

私はE-Value トリマーを使っています。
比較的安く購入でき、軸がブレにくいため簡単な加工であれば精度よく加工できます。

E-Value トリマー

ただし、トリマーを使うとかなり木材の加工粉が飛び散ります…
私は自宅の屋内で加工しましたが、大事な家具があると粉まみれになるので注意が必要です。
極力屋外でやるか、ホームセンターの加工ブースを使わせてもらうのがいいです。

ビットの種類

ビットには大きく分けて5種類あります。
面取り用ビット・切り抜き用ビット・接合用ビット・溝切用ビット・座堀カッターになります。
アリ溝加工に使うビットは接合用ビットに含まれます。

今回私は2種類のアリ溝用ビットを用意しました。
BOSCH製ライト精機製のものです。

BOSCH製


ライト精機製

BOSHC制は14°、ライト精機製は19°の角度のビットです。

角度を変えることで強度に影響があるのかを検証するために2種類用意しました。
イメージとしては角度がきつい方(19°)が強度が高いと考えてますが、実際検証してみたいと思います。
恐らく木材の種類にも影響があると思いますが、今回は一種類の材料で検証します。

木材の用意

木材としてはヒノキ材を使います。
ヒノキは間伐でも伐採されやすく、杉に比べれば水に強い木材です。

木材は板厚が違う物を3種類使います。
板厚:5mm , 9mm , 15mm を用意しました。

通常樹脂部品の板厚は厚くても3mm程度です。
しかし、木材で3mm厚に加工したら簡単に折れてしまいます。
なんとか頑張っても5mmが限界だと考えて5mm厚を用意しました。
また、厚さ15mmを超えてくると重量が増えてしまいます。
自動車にとって重量増加は燃費に影響してしまうため、あまり厚い物は使えないと判断しています。

トライ品の用意

それぞれの板厚でアリ溝深さを変えてトライ品を作成します。

アリ溝深さは板厚の1/2よりちょっと深めで作ってます。
板の表面が割れるかの確認のため少し追い込んでます。

作ったトライ用資料は下記の組み合わせです。

15mm×19°は構造的に難しかったので作成できませんでした。
9mm×14°を作らない理由は、

  • 5mm板厚でビット:14°と19°の差がわかる
  • 19°ビットで板厚:5mmと9mmの差がわかる

という事でトライをするためのコスト・時間を削減するために省きました。

作った木材資料がこちらです。

左:5mm厚 中:9mm厚 右:15mm厚

3種類しか写してませんが5mm厚の反対側に角度違いのアリ溝を加工しています。
このトライ品を使って検証していきます。

トライした結果はこちらの記事をご覧ください。

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